静かで快適な新型車両「3000系」 仙台地下鉄に 開業以来おなじみの1000N系を置き換え

仙台市交通局は、安全性・快適性を向上させた新型車両「3000系」を地下鉄南北線に2024年秋頃から導入し、老朽化が進む現行車両「1000N系」を順次置き換えます。

仙台市地下鉄南北線の富沢車両基地で1000N系(右)と並ぶ仙台市交通局3000系電車(画像提供:仙台市交通局)
仙台市地下鉄南北線の富沢車両基地で1000N系(右)と並ぶ仙台市交通局3000系電車(画像提供:仙台市交通局)

デザイン市民投票で過半数が支持した「進化版」

1000N系は、1987年(昭和62年)の開業時に1000系として登場し、2003年(平成15年)以降、時代の要請に合わせて走行装置や客室設備などの大幅更新を受けた車両系列です。しかし、耐用年数の40年が迫っていることから新型車両への置き換えが準備され、2021年3月には仙台市民や利用者、沿線の小学生などを対象に、新たな車両デザインを3つの候補から選ぶ投票が行われました。

約1万3千票のうち約半数の方が支持したのは「南北線車両からの進化」をコンセプトとする、「くの字型」の先頭形状を持つ1000N系スタイルを継承したデザインです。前面ラインと一体化させたライトや、ホームドア越しでも目立つ側面上部に引かれた緑色と黄緑色のラインなど、1000N系からの進化を印象付けるデザイン要素も盛り込まれています。

車内も「杜の都」をイメージしたグリーンと白系という1000N系の配色を受け継ぐデザインで、座席には定禅寺通りのケヤキ並木をモチーフとした柄が施されています。

(仙台市地下鉄南北線の新型車両3000系のデザイン投票結果、車椅子・ベビーカースペースなど詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】仙台市地下鉄南北線の新型車両3000系のデザイン投票結果、車椅子・ベビーカースペース

車椅子・ベビーカー利用しやすく

3000系の冷房能力は1000N系から1.5倍に向上しており、アルミ二重構造の車体や複層ガラスの採用により静粛性も改善しています。現在は中間車両のみに設けられている車椅子・ベビーカースペースは全車両へと増設され、扉間の座席も中間の手すりが増設されます。乗り降りのしやすさも進化しており、車両の低床化とドア部分の斜めカットによりホームとの段差やすき間が縮小されます。

ドア上部の案内表示器はカラー液晶式で、これまでのLEDドット表示から見やすさが向上します。車内セキュリティ確保のため、各車両には4台の防犯カメラが設置されます。

2023年9月には第1編成が製造元の日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)から大型船で輸送され、仙台塩釜港からトレーラーけん引の陸送により富沢車両基地(仙台市太白区)へと搬入されました。基地内では車体と車輪を結合させる作業や試験、調整が行われ、11月からは営業終了後の深夜に営業線での走行試験が始まっています。

2024年2月頃からは通常ダイヤの合間を使っての試運転へと段階を移し、秋頃の営業運転開始を目指します。今後、2030年にかけてすべての編成が出揃い、1000N系は順次廃車となる予定です。

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